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ジュエリーを愉しもう! ポルトガルの金銀細工フィリグラーナの制作や、ジュエリーと共に送るヨーロッパでの日々。

女王様のイヤリング

こんにちは。
朝、リビングの窓を開けると、目の前の小さな公園で足場を組んで数人の男性たちが何やら作業をしているのが見えました。なんだろう・・・もしかしたらクリスマスの飾りかな。何かきれいなものだったら、完成後の画像を載せますね。

昨日、昔からよく着けているゴールドのフィリグラーナのペンダントの画像をインスタでアップしました。外を歩いていると、オレンジ色の落ち葉がとてもきれいだったので、落ち葉と柿とフィリグラーナを一緒に撮りましたよ。
実はこのペンダントのデザイン、「女王様」と呼ばれているんです。
このお話、19世紀の前半にさかのぼるのですが、マリア二世という女王様が、ジュエリー工芸が盛んなヴィアナ・ド・カステロという街を訪れた際に、彫金の美しいイヤリングを着けていました。その美しい姿は一気に話題になり、貴族の女性たちが皆そのデザインのイヤリングを着けるようになったと言います。それがステイタスシンボル、富や美の象徴となったのですね。
そのうち「女王様のイヤリング」と呼ばれるようになりました。

それがこういうものです↓

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(詳細はいろんなバージョンがあります。)

これは見て分かりますが、フィリグラーナではなく、彫金、つまり金を彫った細工です。線をたくさん入れるように彫っており、独特の輝きを放ちます。

中央のパーツはぶら下がった格好になっており、動きに合わせて揺れるので、イヤリング向きのデザインですね。

そしてこのデザインは、金糸の細工、フィリグラーナにアレンジされました。

それがこちらです。

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私が使っているのはペンダントですが、もちろんピアスもあります。

フィリグラーナバージョンは、とてもバランスよく、うまくアレンジされていると思います。
この「女王様」イヤリング(またはペンダント)もフィリグラーナのモチーフとして定番なので、ポルトガルに来てお土産として現地でフィリグラーナを買われる方は、このデザインを選ばれることも多いです。

私はこういうお話を知らずに、昔からこのペンダントを使っていたのですが、ストーリーを知ると、セレブの仲間入り気分! を味わえたりするかな。

本当に美しいものは、時を経てもその価値が失われることはないですね。

 

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